ディーモ deeemo

2023.03.29

ある社労士事務所の朝礼

ALL

日々申請の対応に追われる社労士事務所。
今日はそんな社労士事務所の日常の風景を切り取ります。

朝、始業と共に朝礼が始まります。
この朝礼は事務所の5人全員が参加する必要があるので、
まだ電話は自動応答から切り替えていません。

朝礼が早めに終わることはここ最近ありません。
長い時は1時間ほどかかる時もあります。
そんなに長い朝礼で何をしているかというと、
この日作業すべき申請の確認と、もうすぐ締切が来る申請の確認です。

以前はこんなことは個人の範疇で確認できていましたが、
コロナ対応で申請数が格段に増えたのと、
過去に一度、申請の締切が漏れてしまい、
請け負った申請が処理できなかったことがあったため、
その再発防止として、毎朝、朝礼で全員での確認をすることになりました。

その申請が漏れてしまった会社には、事務所として正式に謝罪し、
かろうじて訴訟問題には発展しませんでしたが、
事務所としての信用が損なわれたのは確かです。

補助金などの申請は税金と違って、”後から追って処理を”なんてことができず、
期限を過ぎたらもう申請ができません。
本来もらえるはずだったお金がもらえないことになります。
そうなったらその責任は誰が負うのでしょう。

訴訟問題に発展すれば、どちらに非があるかは明らかで、
多くの場合、社労士事務所が賠償金を払うことになります。
補助金の額によっては事務所の事業継続が危ぶまれるケースもあるでしょう。

そんな最悪の事態を避けるべく、
毎朝時間をかけて朝礼を行い、抜け漏れの防止に努めているというわけです。

「〇〇会社の申請はやった?」
「△△会社の期限はいつまでだっけ?」
「××から連絡きた?」
「来週から法改正施行される」

などなど、確認、共有すべき項目は多くあります。
以前それらの内容は個人個人のExcelに記入していましたが、
とても管理しきれないため、共通の1つのExcelファイルにまとめました。
しかし、誰かが開いていると開けなかったり、
その際後で記入しようと思って忘れてしまったりと、
こちらもなかなか上手く運用できていません。
そして誰が記入したかもわからないので、
結局朝礼での確認が、今のところ最良策となってしまっています。
多くの労力を割いていることは重々承知していますが、
申請が漏れるリスクを考えると、これも必要経費かなと思い、
日々業務を行っています。

社労士事務所の難しい現状が見えましたね。
実はまだまだ問題はあります。
次回はそのあたりの話も。